入笠高原の小さな山小屋、ヒュッテ入笠の山口です。

マナスル山荘本館からヒュッテ入笠と屋号を変更した今年(2023年)、1964年生まれのわたしは59歳の誕生日を迎えました。フェイスブックやメール、ヒュッテ入笠にお越しいただいたたくさんの方々からのお祝いの言葉をいただきました。本当にありがとうございます。お礼が遅くなったこと、また個別ではなくこの場で皆さんにお礼を述べることをお許しください。なんだか中途半端な感じのする59歳ですが、ヒュッテ入笠も来年(2024年)は10周年、私も60歳(還暦)となることし、私も山小屋も次のステップへの考えをまとめておこうと思いました。

次のステップといっても必ずしも登り階段ではありません。さらに高いレベルへステップアップしていくというより、緩いスロープをゆっくり下っていくというイメージの方が今の私の考えに近いのかもしれません。

1、ランチ営業の縮小

ランチ営業日を減らすことを考えています。週に4日間、金曜日~月曜日のような週末4日間から始めて、来シーズンはさらに縮小も検討中です。

これまで人気商品のビーフシチューはじめ、いろいろなメニューを楽しみに入笠山に訪れる方々にご提供してきました。私たちも少しでも良い材料を仕入、手間を惜しまず仕込むことで料理を作る喜びを感じることでやりがいも感じておりました。ただここ数年、排水によるグリストラップの汚れがスピードアップしているようで、先日もバキュームを依頼しましたが排水処理が施設のキャパを越えているようです。このまま今の規模でランチの営業を続けていくと排水による山への負荷を大きくしてしまうことになってしまいます。そこでランチの営業日を減らし、排水による山への負担を少しでも軽減することに手を付けたいと考えております。

2、マーケティングの見直し

これまでは常連のお客様を優待しリピーターになってもらうブランディングを進めてまいりましたが、ここでいったん区切りとしてペルソナ設定やマーケティング活動を見直します。いままで利用者に喜んでいただけたサービスやコンテンツも見直し、継続するものするものや新規に始めるものを拾い集めて表現化していこうと考えています。10周年の事業としてはとてもやりがいのある仕事であり、これからの10年に向けて必要な見直しとなるはずです。

3、入笠山の魅力をの商品化

ここ数年料理がメインと思わてれていたマナスル山荘本館ですが、ヒュッテ入笠は入笠山の魅力を提供していこうと考えています。以前はスノーシューツアーやイベントでのハイキングなど山を舞台にした活動を行っていましたが、料理がメインの仕事で身動きが取れなくなり、ここ数年は山の魅力を伝えることがおろそかになっておりました。入笠山の魅力は「すずらん」や「山頂からの大展望」だけと思われがちですが、歴史、地質、植生、天気や雲、星空、野生動物、それらに関わってきた人々などはスズランや山頂に引けを取らない(いやそれ以上の)入笠山の大きな魅力です。水辺を楽しめる山でもあります。そんな魅力を伝えるプログラムを今後の事業に取り組んでいこうと考えています。すでに取り掛かっている「山の歩き方」の講習やそのステップアップとしての実際の登山ツアーの実施もその一つです。

これまでマナスル山荘本館をご愛顧いただいたみなさまには心より感謝申し上げます。また引き続き今後のヒュッテ入笠の動向にも興味をもっていただけましたら幸いです。59歳の誕生日を迎え、還暦を前にした区切りとして所信をお伝えさせていただきました。

ありがとうございました。

株式会社マナスル山荘 代表取締役 山口信吉

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