入笠高原の小さな山小屋、ヒュッテ入笠の山口です。

12月3日現在の入笠山の様子です。

冬のシーズンは12月14日(土)より営業スタートです。入笠山へは富士見パノラマのゴンドラを利用してください。ゴンドラの運行時間や料金は富士見パノラマのウェブサイトからご確認ください。→【富士見パノラマ営業案内】

さて、今回のアンケート(2024冬~秋)考察は『料金について』です。まずは集計結果とフリーコメントをご覧ください。

フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: 料金について。回答数: 101 件の回答。

料金について

4 年末価格!仕方なし
5 大晦日はお得ですよね…ありがとうございます。
5 宿泊はいつも年末年始で、たしかに以前より高くなったけど、あれだけのご飯や設備に飲み放題まで付いていてこの値段は文句無しです。
5 あんなに豪華なご馳走、暖房器具はコタツにストーブ、星空ソムリエのナイトツアー、ドリンク飲み放題、様々な貸出までついてありがたいです。
5 特になし
4 年末年始の料金でお高めでしたが、納得の内容でした。
5 繁忙期でありましたので当然と受け止めています。
5 宿泊者は、無料でさまざまなレンタルなどができて、お茶やコーヒーも飲めて、お得感があります
5 高いと感じるか?安いと感じるか?はそれぞれだと思いますが私は満足でした。
5 相応
5 宿泊費としては決して安くはないと思いますが、お値段以上の満足感が得られます。
5 "最初はちょっと高めだなと思いましたが、料理の内容、部屋、共有部の充実ぶり、そしてナイトツアー!
予想外の充実ぶりに納得。大満足です。また季節を変えて来たいです。今度は友人と。人にオススメしたくなりました。"
4 予約時は、少し高いかな、と思いましたが、フリードリンクやソリなどのレンタルもでき、利用後は満足しています。
5 最初は高いと思いましたが、この食事、サービス、断熱設備からすると安いくらいかと
5 "山小屋、このサービス 安いと思います。でも私のお小遣いでは、、、曇りのため星空教室は中止になりましたが、代わりの星早見表教室は良かったです。スタッフの皆さん、大変お世話になりました。来冬シーズンも来たいと思います。"
4 コロナの影響で、値上がりはやむお得ません
5 料金はもっと高くても全然良いと思います
5 金額と内容がばっちり合っていて大満足でした。
5 このクオリティーで大納得です。
5 山開きウィークで子どもを無料にしていただきありがとうございました。
4 円安や価格高騰の波を受けてるはずですがかなり抑えた料金だと思います
5 これだけのお食事やホスピタリティで不満などございません
3 山荘の相場が分からないが、宿泊施設としてホテルやコテージと比較してしまうと割高感がある。
5 至れり尽くせりで満足の金額です
5 宿泊日によって料金に差があるのが、少し分かりづらい。
5 問題なし
4 安いに越したことはないがこんなもんでしょう。
5 お値段以上の価値のある時間を過ごさせて頂きました。
4 ヘリ輸送では無いので宿泊16000円はちょっと高いと思います。北アルプス山小屋でも14000〜15000円相場なので、、
5 登山初心者なので正直料金はわからないのですが、数々の設備や貸与品、星空のツアーなど価格に見合ったものと思います。
5 山の上で、提起されているサービスを考えると妥当だと思います。
5 サービスに合った金額でした
4 料金はしますがクオリティが高く満足しています
4 9年前より利用しているので、諸々の値上がりを感じています。
4 何年も利用させていただいているので、値上がりは実感していますが、これだけサービスが充実しているので。
5 "今回初めての利用でした。予約時値段だけみたら高く感じましたが、ごはんの美味しさに大満足でしたのでその気持ちはどこかに消えました。"
5 適切
4 山の上の環境や料理の質を考えると、かなり高コストパフォーマンスでした。
5 一瞬高い!と思いましたが、結果として、適正な、むしろ、こんなにサービスしていただいて!という感じでした。ナイトツアーもいろんな星のお話をわかりやすく、興味が持てるようにお話ししてくださり、楽しかったです。
5 この値段でこのサービスは満足です

宿泊料金の設定というのは、施設として一番の悩みどころであり、経営者の一番の心配事でもあります。当然高すぎれば利用者はいなくなるけど、収支として少しでも利益は上げて事業の継続をしなくてはならない。お客様にとってもこの項目はお答えしづらいのかなとも思いました。

アンケートの中で、「満足」という言葉をたくさんいただけて、今のサービスと料金がある程度バランスは保てているのではないかと、内心ほっとしています。ただし、お客様にとっては答えづらいことを考慮すると、不満に思っている方もある程度の人数がいらっしゃるのだなと思いました。

また、「高い」「値上がり」「安くない」といった言葉も散見されます。宿泊料金は施設としての常の課題であると考え、サービスの内容や料金の適正感を十分に検証しなければいけません。事業所としては売上と経費というバランスを上手にコントロールすることが求められるわけですが、昨今の仕入れ価格の上昇や電気、ガソリンなどの高騰は待ったなしで経営を揺さぶります。「経営環境がこんな状況だから」という言い訳はしたくはありません。お客様に選んでいただけるように、「このようなサービスをご提供しているのでこの価格です」と期待と納得をしていただけるサービスや施設をご提供していこうと思います。

気になったのは、宿泊される前は「高い」と感じたけど、宿泊したら「納得した」というお答え。これは施設として行っているサービスや施設を事前にうまく伝えられていないことでもあります。サービス内容をもっと的確にお伝えできるようなウェブサイトの構築やSNS発信への取り組みは急務だと感じております。

反論というか、ちょっと言わせていただきたいのが「4 ヘリ輸送では無いので宿泊16000円はちょっと高いと思います。北アルプス山小屋でも14000〜15000円相場なので、、」について。我々の山小屋は、北アルプスの山小屋では提供できないサービス、料理、設備をご提供していると認識しております。その比較がヘリを使っているかどうかというようなニュアンスで語られるのはとても悲しいことです。

そもそも山小屋のヘリ物資輸送が山小屋事業形態として必要な物流コストであれば、それを経費として営業収支に織り込み、利益をコントロールすることは事業所として当たり前のことです。だからその利用料金なのでしょう。ヘリを使ってもその料金で儲けを出しているということです。

私の山小屋はヘリ輸送がなくても、物流コスト、光熱費、廃棄物処理コストなど高山の山小屋と比較しても同じかそれ以上に経費は掛かっています。売上と経費のバランスをコントロールし、健全な事業経営を維持することが経営者の腕の見せ所です。経費を正しく料金に反映させて、それを上回る期待と満足をお客様に提供することが施設の使命でもあります。

近年なぜかヘリ輸送が山小屋の経営を圧迫しているような話が聞かれます。ヘリを使わない山小屋だって大変なんだということを、県の山岳観光課などにことあることにお話ししていますが、なかなか聞き入れてもらえません。

このアンケートのコメントに向き合い、その施設や環境の魅力、ご提供できるサービスや料理、ホスピタリティを期待と満足をもってご利用いただける料金設定というものを常に考えながら施設の運営に取り組んでいかなければならないと改めて思いました。

冬のシーズンの無事と繁栄を願い、山頂で手を合わせてきました。

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